だめだ
これでは家にいられない
Page.07 −旅立ちの朝−
小鳥が朝日を喜ぶように歌っている。
ソフィは半分泣きながら眠っていたようだった。
「あっ・・・もぉ朝なの・・」
ソフィは窓から外を眺める。
今日も雲はひとつもない。
綺麗な青空が広がっている。
「
、
っ!大丈夫?」
ソフィは優しく眠っている
の両肩をゆする。
の瞼は閉じられている。
だが、息はしているようだった。
ソフィの目がだんだんと潤んでいく。
「・・・っ。うっ」
はまるでみしみしと音を立てるように
半分だけ身体を起こした。
「あっ・・ソフィ、おはよう」
「
っっ!!・・・よかった・・」
ソフィは
にばっと抱きつく。
はぼーっとしながらソフィが抱きつく中、目をこする。
「・・・ねぇ、そーいえば・・ソフィ」
は優しくソフィの両手を包み、
ソフィの両目を見つめる。
の丸くて真っ黒な目と
ソフィの茶色い透き通った目が視線を交わす。
「あたし、昨日の夜空を見た後、どぉなった?」
ふたりの間に沈黙が流れる。
窓の外では相変わらず、小鳥が歌を歌っている。
「
・・・・記憶がないのね」
ソフィは
の真っ黒な目を悲しそうに見つめる。
ソフィはひとつ深呼吸してから言葉を出した。
「
は、あの直後、倒れたのよ。
・・灰色の目をして」
ソフィの目はもう根身だが流れてきそうだ。
うるうるになっている。
「うそ。・・・あたし、倒れたんだ・・・・・」
は下に頭を下げ、
優しくかけられていた毛布を力いっぱいに握っている。
「でもソフィ、なんでソフィはおばあちゃんに?」
の目も、もううるうるになっている。
「・・・わからないわ。
・・・でも、
「「もぉここにはいられない」」
「・・うん。あたしもそぉ思う」
はソフィの目をもう一度見つめる。
ソフィもその
の目に応えた。
「出ましょう。ここから」
はぴょんっと立ち上がり、
ソフィの背中を支える。
「ありがとう、
」
「ううん。いいの。お互い様、だよ」
は微笑み、ソフィも微笑んだ。
ソフィは小豆色の上着を肩にかけた。
「いくつか、食べ物を持っていきましょ」
はうなずいてゆっくり、扉を開く。
「あたしが取ってくる。ソフィは先に裏に行ってて」
「・・わかったわ」
ソフィは大きな薄い小豆色をした布を
に渡す。
「じゃ、後でね」
はウサギのように部屋を出て行った。
ソフィは重い足を動かし、部屋を出て、裏へ急ぐ。
このとき、二人は直感が走った。
もう、この家には、自分の家には戻れない。
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ようやく、第7話、完成です。
合宿などが重なり、こんなに遅くなってしまいました・・・
そしてまだ残る、宿題の山、山、そして山。
私は、めげません(涙)
神風 霰 06/08/20 SUN