たんたんたん


それはまるでこれからを開始の合図のような足音



Page.12 -炎との契約-




「まって、あたしが先に上がるから」



はソフィを入口に留まらせると
自分だけずんずんと暗い階段を上がった。



・・・」

ソフィも後に続く。



「へぇ・・・・これがあの城の中。かぁ」


は中を見渡す。
暖炉に高く積み上げられた書物。
大きなテーブルの上は使い終わった食器や
おきっぱなしの本や空のつぼに刺さった羽ペンなどなど・・・

の部屋よりあきらかに散らかっていた。


「ちょっと、ソフィ!
罠とかないか探してるんだから!危ないでしょ!」



「そんな大丈夫だよ。
おや、暖炉だね。木をくべなきゃね・・・」


ソフィは暖炉の脇から薪をひとつ、ふたつと投げていく。



「なんだい、年取って驚かなくなったと思ったら
ただのボロ屋敷かい・・・」

ソフィは暖炉の前にあるイスに腰を下ろした。


「ソフィ!そこは落とし穴かも!」



『なにいってやがる。罠なんてないぜ。
こんがらがった不気味な呪いどもだ』



「な。炎がしゃべった!」

は暖炉に駆け寄る。




『へぇ・・・珍しい。
この娘は日の入りと同時に「呪いを知ってるの!?」


カルシファーの言葉をさえぎって は大声を出す。
はソフィを見るがソフィは眠りに入っていた。

「お願い!呪いを解いてッ『眠りに落ちる呪いだ』







ばたん



はソフィの横に倒れこんだ。



「おや、ちょっと眠ってしまったね・・・」


ソフィはしょぼしょぼと目を瞬く。



『おまけに呪いについてはしゃべれなくしてあるぜ・・・』



「火がしゃべったっ!」


ソフィは驚いて目を大きく開いた。



「あんたがハウルかい?」



『オイラは火の悪魔のカルシファーだ』



「ほぉ、じゃぁあたしと の呪いを解くことができるのかい?」


ソフィは をちらりと見るとカルシファーを見つめた。



『そんなの簡単さ。
オイラをここにしばりつけている呪いさえ解いてくれりゃ
あっという間に呪いなんて解いてやる』


カルシファーは牧の上に両腕を付いた。



「へぇ、悪魔との契約ってわけかい・・・」


うとうと。
ソフィの瞼が落ち始める。



『悪魔は約束はしない』


「あら、じゃぁ他をあたってちょうだい」


ソフィは瞼を閉じる。


『まってくれ!オイラはかわいそうなしばられた悪魔なんだ!
オイラとハウルとの契約の秘密さえ見つけてくれりゃ
ばあちゃんとそこの娘の呪いだって解いてやる!』



「ほんとね・・・?約束、よ・・・」


ソフィは完全に瞼を閉じて眠りの世界落ちていった。




『おい!ばあちゃん!』



『ちぇ。大丈夫かよ・・・』




城の外の月は見え隠れしながら夜を告げていた。




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