寒くなる



もうそろそろ



ホグワーツにも長い冬が訪れる








ひび割れ対策法






「あ〜、やっぱりちょっと痛いな・・」


はそっと鏡の前で唇に触れる。

唇からは細く血が浮かぶ。



「・・痛い」



の愛用のリップはこの間に切らしてしまったばかりだったのだ。


見た目からでもわかるその痛そうな唇にイラつきながらも
コートを羽織る。



「あら、痛そう・・唇大丈夫??」


同室のリリーは鏡の裏側から覗き込む。



「ううっ・・たぶん」



「早めにリップを塗ったほうがいいわよ」


リリーもコートを羽織った。



「わかってはいるんだけどいま持ってないのよ」


は授業で使う教科書を取り出した。



「あたしはあんまりそういうことないからもってないし・・」


リリーは申し訳なさそうに教科書を引っ張り出す。



「ううん。大丈夫だよ。ありがと」






とリリーは自分たちの部屋を出て、
談話室から出た。














「あら、ゼブルス」



「お前に用などない。リリー」



階段の踊り場で は恋人のゼブルスに声をかけられた。

はすっと顔を下に向ける。
そしてリリーの影に隠れた。



「なぜだ。 、なぜ最近我輩を避ける」



は下を見続けた。


の視界にゼブルスの足元が移る。
これから立て続けに移動教室なのか
腕には教科書が4、5冊挟まっていた。





「・・・だって・・」



はぼそっと唇動かす。
また血が出てきそうだ。
はそっと唇に手を動かす。




「・・そうなの?


リリーも心配そうに自分の後ろを覗く。




「・・・」


こくり、と は首を動かす。





「我輩が嫌いになったのか」


ゼブルスは持っていた教科書をぎゅっと握る。




「・・・」



「そんなこと、 にあるわけないでしょ」


リリーは視線をきりっとしてゼブルスを睨む。




「だから貴様などに用はない、リリー」



ゼブルスもリリーの視線に反撃を返す。














しばらく、二人のにらみ合いは続いた。
もう、それぞれの授業が始まるころだろう。




、我輩について来い」



ゼブルスはにらみ合いの視線をずらし、
リリーのことなどお構いなしに後ろへ手を伸ばして
の腕をつかむ。




「・・!ちょっ」



はぐいっとゼブルスに引っ張られていく。





「待ちなさいよ!ゼブルス! の気持ちはっ・・」



「前にも我輩がいったとおり、貴様ではなく に用があるのだ!」



「・・・!?」


ゼブルスはその場いっぱいに広がるような大声を出して、
ずんずんと進んでいった。

もゼブルスの聞いたことない大声にびっくりしながら
なされるがままにゼブルスに引っ張られていった。













ばたんっ!


勢いよくゼブルスは部屋のドアを閉めた。


そして胸から杖を出して、鍵を閉めた。




「・・どうしたの?ゼブルス・・・」


は下を向いたまま恐る恐るかさついた唇を動かす。




「なぜ、我輩を避ける」



ゼブルスは の近くへ行き、顔を見つめた。




「・・・だってこんな顔じゃっ!」



はすっと顔を上げた。










「・・どうしたのだ、この唇は」



ゼブルスは の唇の見つめた。

の唇からはいくつかひびが入り、
血を浮かべているものもある。




「・・見せたくなかったのに・・・・」



の目からは涙が浮かぶ。




「なぜ、見せたがらなかたのだ・・?」



ゼブルスは優しく左手で の頬を包む。




「・・・こんな唇じゃ、ゼブルスに嫌われちゃ」




の唇はゼブルスの唇で優しく塞がれた。



数秒後ゼブルスは唇を離し、 の血が出ている唇を優しく舐めた。





「・・っ!」


は一瞬で頬を染めた。




「我輩がそんなことで嫌うわけないであろう」



ゼブルスは の目から出た涙に唇を合わせた。



「我輩には しかいない」









はあまりのうれしさにゼブルスの胸に身体を寄せた。




「そんなに言わないでよ・・・」



ぐずっと は鼻をすすった。




「・・ゼブルスから・・・ずっと離れられなくなっちゃう・・」



はそっとゼブルスの背中に両腕を回した。




「我輩もだ・・・寮が同じならばよかったのだがな・・」




ゼブルスもそっと の背中に手をまわした。





そして二人は次の授業が始まるまで時々唇を重ねていた。












「リップクリームがきれたのか。では今度一緒に買いに行くか」


ゼブルスと はさっきの空き教室を出て、
廊下を歩いていた。


向こうからは、手を振りながらリリーが走ってくる。



「う、うそ?いいの??」



「無論だ。ホグズミートへ行く際に見よう」



「ありがと、ゼブルス!」


はさっきの姿はどこへやったのか、
ゼブルスに心から微笑んだ。












もうすぐ、



寒い冬がやってくる



身近な



でもとても暖かい



ホグワーツでのお話














End.



05/11/07

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