残暑が残る嫌な初秋から



 少し寒くなり始める初秋に



 変化を始めた




色、色々 〜黄〜 〜 Momoshiro Varsion 〜







寒い北よりの風が部活後の部室前を突き抜けていく。



「う〜ぅ・・・さみぃなぁ〜!!」


武はまだ半そでのブラウスからでる立派な腕を両手でこすった。




「桃城君はまだ半そでだからだよ〜もぉ長袖でもいいんだよ?」



少し困った顔をしながら は微笑んだ。







「だ、だってよ・・・長袖はいざ、暑いとき袖が邪魔じゃんか」



武もつられて少し頬を染めて微笑みながらぶつぶつ話した。




武と は同じ学年で付き合ったばかり。
結構カップルらしい。・・ようするにラブラブ。

それは一気に噂になり、回っていった。
もう、青学で知らぬ生徒はいないだろう。
ましてはあのテニス部レギュラーの桃城だ。






「さ、帰ろっか。桃城君も寒そうだし」



まだ少しぎこちない距離感の中、二人は校門へ歩き出した。


















「なぁ、 は寒くねぇのか?」



武はそのまま近くの自転車置き場に足を進める。




「うん。もともとダメなのはどちらかというと夏だし、
あたしはもぉ長袖をたまに着てるからね」


も武の2歩後ろぐらいの距離で同じく自転車置き場に足を進める。






「・・・なるほど」







がちゃん






武は自転車の鍵を開ける。

そして武はにっと笑った。








「さ、乗れよ」









武は自転車にまたがり後ろを親指で示す。













「えっ、いいよ!あたしが乗ったら桃城君、大変だよっ!!」




は両手を振って遠慮をする。











「そんな遠慮すんな、さ、早く乗った乗った」





武はハンドルを握っていた左手で の左腕を引っ張った。







「えっ・・・・!!」








がちゃっ




遠慮がちな音を立てて は武の後ろに乗った。












「しゅっぱ〜っつ」




武は鼻歌を歌うノリで自転車をこぎ出した。
勿論、後ろに を乗せて。
















「やっぱ、俺は がいると余計に楽しいな!」




武はニコニコ顔で の家までの家路を走る。




「桃城くーん・・・聞こえなかったー何か言った?」



は少し伸びた横髪を耳辺りで押さえて武の後姿を見上げた。













「え〜・・・・

おまえの笑顔が大好きだ、って言ったんだよ!!」






武は大声で に話した。







「桃城君!声、大きすぎだよっ!!!・・恥ずかしいじゃない!」




の顔は真っ赤だ。









「もぉ、自転車、降りたい・・・」


は目をうるうるにしながら呟いた。



「あ?何かいったかぁ〜?
言っとくけど俺はおろさないからな〜」


武は口笛をしていった。




「・・・聞こえてる・・・・」


の顔の色は直らない。




「でもさ、俺、ホントに の笑顔が大好きなんだぜ?
なんか、向日葵いたいでさ!」




武は少しでも を見ようと後ろを向く。





「俺、 の可愛くて綺麗で黄色い向日葵みたいな笑顔が
大好きだからな!!」




武は後ろに右手を回し、 の右手を握った。







「・・・・うん・・ありがと」






少し後ろを向いた武の顔は耳まで真っ赤に染まっていた。
はそれを見て少し微笑んだ。



向日葵のような、笑顔で。













 君の可愛い笑顔はまるで向日葵のようで

  黄色く、可愛い元気な向日葵


 その笑顔のおかげで

 俺は身体は寒くても心は寒くない

 君が 君の笑顔が暖めてくれるから






* その後。その直後。 *








「・・・・」


「・・・」






幸せな沈黙が二人の間に流れる。





ふと は前を向いた。




「ちょ、ちょっと!桃城君前!」





「えっ、はっ・・・マジっ??」




この直後、



ふたりが乗った自転車が倒れそうになったのかは
二人だけが知っている。












End





シリーズ、記念すべき2作目、完成です。
遅くなってしまい、申し訳ないです。
走り書きの駄作です。
神風 霰 06/09/16 Sat



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