月が見え夢がもぉひとつ



月のおつるところ





岳人は部活の午後練が終わり、
近くのフリーコートにある近くの壁で壁打ちをしていた。

基本も大事だ、
そぉ思い、壁打ちをしていたのである。
練習試合を来週に控えている。



「ふぅ」


岳人は手首につけたリストバンドで汗を拭く。


そろそろ帰るか

岳人は近くにある時計塔の針を見る。
短針と長針はもう少しで7:30を示すところだ。




ブブ、ブブブブ・・・



バイブにしていた携帯がラケットバックから鳴っている。




マネージャーの からだった。


 明日の朝練はなしで、
 ミーティングになりました。
 筆記用具を持ってきてくださいね(^^
 
 では、おやすみなさい。
 急なメールですいませんでした(>_<。)


思わず岳人は微笑んでしまいそうだった。

マネージャーをやっている、
みんなから親しまれる後輩で
部員からの信頼も厚い。
勿論、
いやいやマネージャーを受け入れた跡部や顧問の榊からも。

は中2の中でも結構密かに人気があるらしく、
狙っている奴も少なくないという話を何故か忍足から聞いた。

でも残念ながら岳人は をマネージャーとしか考えてなかった。












「ミーティング、かぁ」


来週の練習試合のためのミーティングなのか。
ラケットを持った右腕をぐるぐるとゆっくり回しながら
岳人は空を見上げた。


綺麗な月が低く暗いフリーコートをほんのり明るくしている。









翌朝、

ミーティングルームにはレギュラーと顧問の榊、そして がいた。
前の席に跡部と榊が座り、ホワイトボードの横に が立つ。


「えっと・・・今日は来週の練習試合について、連絡があります。
日程は来週の日曜日で・・・」


はいつものノートを開きながらレギュラーと榊に説明する。

岳人は前から二列目の一番窓側に座っていた。


岳人は何故か、窓の外をぼーと眺めていた。
気づけば今日の連絡についてまとめたプリントを
忍足から渡されていた。





「なんや、可愛い子でもおったか。岳人」



「なわけないだろ。俺はそんなんに興味はねぇよ」


「そか」


プリントを眺める。
日程や対戦校などが書かれていた。
が昨日、連絡を受け慌てて作ったのだろう。

そんな の姿が脳裏に浮かんだ。





ふと、岳人の頭には の姿が知らぬ間に浮かんでいる。




その理由は岳人自信もわからなかった。








でも気にすることのほどでもない








そこで岳人はいつも頭の隅に追いやっていていた。






授業もすべて終わり、午後練が始まる。
岳人は忍足とラケットバックを肩に下げ、廊下を歩いていた。


「今日の朝といい、何かあったんか?」


忍足は何気なく岳人に質問をする。


「いや、別に。なんにも」


岳人も何気ない口調で返す。



「ほんまに?」



「あぁ、『ほんまに』」


岳人は忍足を横目でちらりと見る。


「そぉか?俺には恋愛のかほりがすんのや」



「はぁ??」



「俺を甘く見てると、後々後悔するで。
俺の勘は鋭いんや」


忍足は少しにやつきながら話す。





「いや、それは俺がよくわかってるよ」


岳人はため息をし、下駄箱から靴を取り出した。
忍足も同じくため息をし、それに続く。



「そぉか。・・でもきぃつけとき」



「はぁ?何を?」


岳人は少し笑いながら言う。



「想像以上にライバルは多いもんや」


忍足はさらっと言うと靴を履いた。




「だ、だから!俺は、好きな人なんか・・・」


岳人も少し急いで靴を履く。




「人間、好きな人がひとりはいるもんやで」


忍足は岳人の前を歩く。


部活が始まる。
ふたりの足は部室へ向かっていた。




部室の近くにあるコートでは
一年と一緒に整備をやっている の姿が目に入る。


「さて、この先が楽しみや」


忍足は部室のドアを開ける。
ブン太はドアを閉めた。


「何が楽しみなんだよ」



「それは・・・練習試合のことや」


忍足と岳人はラケットバックを置き、
着替え始める。



「あっそ」






ふたりは無言で着替える。









「ホントはお前のこっちゃ」

ぼそっと忍足は口を動かす。




「忍足、何か言ったか?」


「いや、何にも。はよ、コートいこ」






部活中、本当は聞こえていた忍足の言葉と廊下での会話が
頭を離れず、今日の部活はあまり調子がよくなかった。





















また岳人はフリーコートにきていた。

ここのところ最近調子が悪い。
練習試合は明後日にせまっていた。


少し息を切らしながら壁とのラリーを続ける。
忍足が練習に付き合うと言ってくれたが、
自分で探せる欠点は自分で見つけたい。

岳人はひとりでフリーコートに来たのだ。



そろそろ帰るか。


また時計塔を見上げようとした。

時計塔の下には自分を見つめている制服姿の女子がいる。
マネージャーの だった。

が小走りに岳人のところへやってくる。



「向日先輩。お疲れ様です」


の手にはハンドタオルに巻かれたポカリの缶が
優しく握られている。



「おっ、さんきゅ」


岳人はハンドタオルごと受け取る。

ちょうどのどが渇いていた。
岳人はすぐ、プルタブをあけた。
ぐびぐびと一気に半分くらい飲み上げる。


「なんだ、あさっての試合の連絡か?」

ブン太は を見ながらラケットをバックにしまう。





「いやっ、違うんです。
向日先輩、最近調子悪いな、って思って」


逆に は心配そうな目でブン太を見つめる。






「と、特にはないぞ」



岳人は少し赤くなる頬を隠すためか、
さっと に背中を見せ、
バックを前に支度をするためしゃがんだ。




「そぉですか?でも忍足先輩も言ってましたよ?
『最近、岳人調子が悪いんよ。
悪いけど、見てきてくれへんか?』
って」

忍足はダブルスのペアだし、少しでも心配があるのだろう。

でも、何故 に任せたんだ?


岳人の頭の中で疑問ができる。




「あさっては練習試合です。
これもみなさんの全国への夢をかなえるための一歩ですよ!
頑張ってください!」



は微笑んで精一杯の応援の言葉を岳人にかけた。



ブン太の心臓の音が少し早くなり始める。




「あぁ、さんきゅ」


少し間をおいて冷静に岳人は礼をいう。








―この言葉をどのくらいの奴にかけたのだろう


ふと言葉がよぎる。





「向日先輩、やっぱりいつもの元気がないですよ?」


の心配は小さいものではないようだ。
は岳人の隣にしゃがんだ。

ブン太の心臓は更に速さを増す。




 『最近、調子が悪いな。
 悪いけど、見てきてくれへんか?』


 「そぉか?俺には恋愛のにおいがすんのや」


忍足の言葉が響く。






「そぉか?俺は元気だけど?」

岳人はラケットバックを肩にかける。





「・・やっぱりちょっと元気がないです。
そんなんじゃ岳人先輩の『全国の夢』、かないませんよ?」



は少ししょんぼりしながら
片手にタオルと缶を持ち、歩き始めた岳人を
遠慮がちに追いかける。


心臓の速さはおとなしくならないようだ。






 「そぉか。・・でもきぃつけとき」


 「想像以上にライバルは多いもんや」









「いや、かなえるさ」


岳人は後ろを向き、 を見る。

岳人の頬が少し夕日の色に染まる。
急に見つめられた は一瞬で岳人以上の色に頬を染める。


 




 「さて、この先が楽しみや」






「あと、もぉひとつの夢も」





「もぉひとつの・・夢、ですか?」




「ああ」






 「人間、好きな人がひとりはいるもんやで」





なるほど。そぉいうことか。

岳人はゆっくり目を閉じる。




「その夢ってなんですか?」


は遠慮がちに聞いた。











を、好きになる夢」




岳人は少し笑った。














もぉ夕日が沈む

その次は月が出てきて


ふたりを照らす。








End.







とぅわーーー
やばいです。これは。
初、岳人夢にもかかわらず、こんな夢だとは・・(涙)
すいません。
意味のわからない夢で。(しかも無駄に長い)

と、いぅか・・
ぜんぜん『月のおつるところ』じゃねぇ!!


神風 霰 06/07/08

 

*緊急編集。*

とんでもないミスに気づきました。

ハイ。呼んでくださった方は『何やってんだこの駄作野郎』とか思っていると思います。。。

そうです。この夢、ブンちゃ夢ではなく、がっくん夢だったんですね!(オイ

修正は只今終了しました。

まったく、何やってるんでしょう。ファンとしてしっかくやわ。。。

BBSを早く付けていればこんなこと、ありえなかった事態かもしれないのですが。。

今後、BBSの検討もすることにしています。(オイ

まことに申し訳ありませんでした。 神風 霰 09/04/17

 




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