君に似合う色




それは



 赤






色、色々 〜 Tyki Version 〜




小さな駅前の通りにぽつんと建った小さな喫茶店。


窓の外では可愛らしい小鳥の鳴き声が聞こえてくる。
は窓を少し開け、新鮮な空気を部屋に送り込んだ。

「ん〜。今日もいい天気」


いつもの七部だけの白いシャツに
自身も気に入っている
チェック柄のエプロンをしている。

はキッチンの流しまで行き、台ふきんをぬらした。







からん、カラン





ふと店の扉についている小さな呼びベルの音が響く。




「あ、すいません、まだ開店前・・・」



はカウンターから顔を出す。



「やぁ、


「あっ、ティキ!いらっしゃい!」


ここは小さな喫茶店だが、もういない父の顔が広かったせいか
いろいろなお客が急に顔を見せる。

その中でも、 特に中が良いのがティキだった。
ティキは今では物珍しいタキシード姿にシルクハットをかぶって来店する。






「ねぇ、ティキ・・来てくれたのはとてもうれしいんだけど
まだ開店前なんですけど・・・」



ため息をつきながら は台ふきんを絞る。



「まぁ、いいじゃないか。オレも時間があまりないんだし」


ティキはにっこり微笑みながら の真後ろにあたるカウンターに座った。




「それよりもさ、これ」



ティキはいつ出したのか手には可愛らしい袋を出した。



「あら、彼女さんへのプレゼント?」


は今絞った台ふきんでティキのカウンターを拭くため身を少し乗り出した。




「違うって。そんなのいないよ。キミ、へのプレゼント」



ティキはふっと微笑んだ。




「えっ??」



は身を乗り出したまま驚く。




「この綺麗で美しいあなたの首筋に似合うネックレスをね」



ティキはすっと手を出し の首に触れる。



「な、…」


の頬は赤く染まる。




「可愛いね、照れちゃって」


くすっとティキは微笑んで紙袋を の前に差し出した。




「はい」




「い、いいよ。田舎もののあたしなんかにネックレスが似合うわけないし・・・」


はぷいっと後ろを向き
いつもティキが頼むブラックコーヒーを仕込み始めた。



「しかも、ティキに悪いわ」



はマグカップにコーヒーを入れてカウンターに置いた。



「はい、いつものコーヒー・・・」



はティキのほうを見た。







かたん。















「あれ・・・ティキ?」






目の前にはいるはずのティキがいない。
は顔を左右に動かした。

左右、隅々まで店の中を見渡すが、ティキの姿はない。







「ティキ・・・??」





の目は少し悲しい目になった。






















「そんな悲しそうな目ぇしちゃって。なぁに、




の耳元で急に囁くような声がした。










「えっ、えっ!ティキ・・!?いつの間に?」






ものすごい近くにティキの姿がある。
それを考えるだけで は頬を思いっきり染めた。

はあたふたしてちょっとしたパニック状態になった。












「こらこら、落ち着いて。じゃあ、ゆっくりあの姿見のところへ行って」



ティキは低い優しい声で の耳元で囁いた。

そしてティキは優しく を店の端にある姿見のほうへ連れて行く。







「どうしたの・・ティキ?」



は頬を染めたままティキの方を向いた。







「相変わらず鈍感だなぁ、 は」




「な、なによ」


はちょっとムスッとしてまたもぷいっと首を曲げる。



「ごめん、ごめん。ほら。姿見の自分の首元を見て」




は少しずつ姿見へ目を移す。






姿見にはエプロン姿の に後ろにはすらっと背の高いティキの姿。




ティキは のショートロングの紙をゆっくり耳にかけた。
首元には綺麗に輝くネックレスが下がっていた。



ネックレスは十字架でトランプのそれぞれの柄が彫ってある。
そして中心には真っ赤な宝石が入っていた。








「・・やっぱり、似合ってるよ。






はびっくりして言葉が出なかった。
もう のほっぺは真っ赤だ。



ティキの言うとおり、自分でも思いたくなかったが見事に自分にあっていた。









まるで、そのネックレスが元から自分の物だったように










「美しい・・・」






「へっ?」







「いや・・なんでも」



ティキは微笑みながらシルクハットを取り出した。





「そうだ。今度、三ツ星につれてってやるよ」



「・・『三ツ星』って?」



「あぁ〜、そっか、オレ等しか知らないか」




「でも正装じゃないとな。
に似合うドレス、頼んどくよ。」



「ここ田舎だし、ドレスなんか売ってないしな」



「えっ?!あたし、もう行くって決まったの?お店は?」








「大丈夫。時間は関係ないから」








ティキはシルクハットをかぶった。






「じゃあな、オレは仕事だ」



ふと、ティキは の顎を優しく上向けた。



「またくるぜ、



ティキは静かに の唇に自分の唇を合わせた。







「・・・!!」


「かなり似合ってるぜ、惚れ直した。・・そのネックレス。外すなよ」





ティキは静かに扉を開けて外へ出ていいった。






からん、からん・・






静かな店内にベルの音だけが響く。






「初めてキスされた・・・」



はぼんっと更に顔を赤くした。




「しかも惚れ直したって・・・聞いてないよ・・・・」







喫茶店の開店はもうそろそろ
















End..






・・・書いてしまった〜!!ティキ夢!!
だって、だって扱っているサイトさんを探そうとしても
あんまりないんだもん!
じゃあ自分が作る!って作っちゃいました・・・。
しかも、『赤』とかいっときながらぜんぜん出てきてねぇ!


・・すいません。作るものが違いますよね・・。


05/11/23 神風 霰




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