この子は


いったい


俺をどうしたいのだろうか




31. 寝顔は天使か小悪魔か





テニスの強豪、立海大付属の
毎日の練習を支えるマネージャー業は

やはり忙しい。


それは周りの高校でも有名だ。



だがそれを は顔に出さずに優しい顔で毎日、
仕事をこなしている。


なので部員からの評判も良く、
隠れて思いを寄せるものも少なくない。





「蓮二、 を呼んできてはくれないか」





テニスコートの入口傍で
真田はたまたま休憩に入った蓮二に声をかけた。






を呼んでくれば良いのだな」



「ああ。明日の練習の確認の為だ」





真田は部員たちがせっせとメニューのこなしを
監視しながら答えた。





「そうか。じゃあ、行ってこよう」





「真田さん!俺じゃダメっすか?」


赤也が蓮二のうしろから少し大きな声を出した。





「お前はダメだ。まだメニューが残っている。
蓮二はちょうど終わったところなのだぞ」


真田はぎろり、と赤也を睨む。




「・・・ちぇ。わかりましたよ」



赤也は次のメニューに取り組み始めた。







「では、行ってくるぞ」



蓮二は静かにテニスコートの出入り口を開いた。



「あぁ、早めに頼む」



「・・・承知した」



蓮二はベンチから自分のタオルを取ると
そのまま部室へ足を運んでいった。





が部室にいる確立は96%・・・」



ぼそり、と蓮二は呟く。




すたすたと蓮二の足が静かに砂を舞い上げていく。










トントン・・っ



蓮二は些細なところでも礼儀を忘れない。
綺麗な手でこぶしを作って部室のドアをたたく。







「・・・・いなければ、職員室か・・」




部室からは音がしない。





  はいないのだろうか・・・





蓮二はふとドアを見つめる。







きぃ・・・・





。入るぞ」





静かに蓮二はドアを開けた。

少し涼しい風が蓮二をふわりと包む。






「窓も開けたままなのか・・・」




蓮二は部室を見渡した。



少しではあるが、
窓が開かれている。



なりの気配りだろう。

書類などが飛ばない程度の風が入るよう、
空気の入れ替えができるよう、


窓は程よい隙間が開かれている。




「やはり、いつもこんなことをしていたのか」




蓮二はふと が座っているテーブルを見下ろした。







「しかし、これでは無用心にも程があるぞ」



静かに蓮二の目は の席にに向ける。




すやすやと はテーブルに腕を乗せて眠っていた。




「日ごろ、なにかと忙しかったからな・・・」




蓮二は少し開かれた窓をからからと閉めた。




くるりと蓮二は の方を向く。




まだ は眠りの世界にいるようだ。





「まったく、窓を開けたまま居眠りとは・・・」




蓮二は隣の席に腰を下ろす。




「赤也がもしきていたらどうなっていたか・・・」



タオルをテーブルに置くと
蓮二は右腕をテーブルについて手で顎を支えた。





「ブン太でもやばかったかもしれんな・・」




こんないつも見せている顔を違った
また可愛らしい寝顔。


これを他の部員が見たら、
どういう反応をするだろうか。





 天使のような寝顔だ





ふと頭に言葉が浮かぶ。



「・・・・っ!!」



すっ、と蓮二は顔を からそらした。

そして顎を支えていた手で口まで隠した。




頬が火照っている、




自分でもわかった。





「俺もいつ赤也のようになるかわからんな・・」




蓮二は天使のような寝顔に顔を戻す。






「・・・でも小悪魔のようでもあるな」







可愛らしく静かに時をすごしていく普段見せない寝顔。


だが


何故か、どこかそそらせるような小悪魔のような可愛らしい寝顔。







誰よりも先に、

なにか、しでかしてやろうか





こんな気持ちにさせられる。




蓮二は を見つめている。






外は相変わらず、少し涼しい風が吹いているようだ。





蓮二は の寝顔に顔を近づけた。







が顔を真っ赤に染め、驚いて目を覚ますのも
それから数秒後の話。














End...





。。。

企画お題、初めての挑戦です。
精一杯、手のひらであがかせていただきました(汗
煮るなり焼くなりしてください・・・

神風 霰 07/03/08 THU



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