扉の奥が



総ての始まり




これよりホスト日和なり 第U話




きぃ…


静かに高級感溢れた扉は音を響かせた。












「いらっしゃいませ」





複数の低い声が重なる。













「…はぃ?」



「・・・・」



は疑問視を漏らし、
ハルヒは驚いて声も出ないようだった。






「ちぇ、男かよ」


「こら、口を謹まないか。男だって大切なお客様だ」





双子に金髪・・・




「…ハルヒ・・」


は小さく声を出す。




「なんだ、この集団は・・・・」



ハルヒは苦い顔をした。







なんなんだ。この美麗な集団はっ・・








「ようこそ、桜蘭ホスト部へ!」




「世にも貴重で稀な二人組、
くん、藤岡ハルヒくん!」








ぴきっ


ふたりの頭の何かが音を立てる。







「…ハルヒ、なんで名前知ってるのかな」


「・・さぁ?」




暗い顔になっていくふたりの小声の会話は続く。










「・・よく、桜蘭に入れたものだ」



きりっとした眼鏡をかけた男が口を開く。



「どうやら、うちは庶民にとって
敷居が高すぎるみたいでね・・・」



「図太い神経を持ってでないと
奨学特待生にはなれないと言われている」











「図太い神経・・・」


「ですか」


ハルヒにつられて の顔もだんだんと暗くなっていく。



自分たちはよく言われたものだ。







「図太い神経ともども、いわば君らは勇者と等しいっ!!」






「二人そろって学年主席だが、貧乏に変わりは無い・・」



「貧乏万歳ではないか・・・」






「はぁ・・」


ハルヒはとりあえず返事をする。



「そこまで言わなくとも・・・」


は一人呟く。







「さぁ!!君たちのお好みは何系かなっ?」




「ワイルド系、ロリショタ系・・・」



「それとも、この俺・・かな?」





金髪はくるくると回ると とハルヒの肩を優しく抱いた。





ぷいっ

つぃっ



ハルヒは頭をそむけ、
は音もなく肩に伸ばされた腕から避けた。






「ち、違います!自分たちはっ!」





「えーハルちゃんと ちゃんは勇者なの〜」




ちびっこはぐわしっとふたりの腕をつかむ。

わくわくとした可愛らしい顔がこちらを見つめている。




「ハルちゃん、 ちゃんは違いますっ!」



ぎろり、とひたりはそろってちびっこに睨みをきかせる。






『・・いまだ』


は空気を読み取った。



「ハルヒ、出るよ」



優しくハルヒの腕を掴むと、
金髪の腕を振りほどき、 はハルヒを引っ張った。





「・・うん、でもちょっと待って!」










がっちゃーん・・・・っ





「げっ!!!」



「・・・なんの音?」




ハルヒは目を見開き、
は後ろを振り吹いた。






そこにはさっきまでまばゆい光を放っていた
大きな花瓶が原形をとどめるまでもなく割れていた。








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第二話になります。
更新、遅れまして、すいません。
なんか、ホスト部っぽくなくなってきましたね・・・
困りました、この文才のなさには。

神風 霰 07/05/14



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