つらい運動後の休憩は



今まで生きてきた時の中で



一番最高な時に



感じてしまう








幸せな時








「ふぃ〜。今日も暑いな〜」




桃城はテニスコートに一番近い水道で
顔を洗っていた。


桃城が開いた蛇口を閉めない限り、
ずっと流れを休めない。








「同感っす」




桃城といっしょに来ていたリョーマも
汗だくの顔をばしゃばしゃと洗っている。



















「陸上部〜陸部は集合〜」









どこからともなく
よく聞こえる少女の声が聞こえてきた。


















「お。この声は」




桃城は顔を拭いていたタオルから鼻から上を覗かせた。
















「これから10分間の休憩にするよっ。
休憩が終わり次第、1年は校内1周してから、
2年はそのままで、グランドに直行ね!」



「じゃ、休憩開始っ!!」




はストップウォッチをスタートさせた。















「あれ?桃城君じゃない」



は桃城の方を向いた。








「やっぱりお前か!



「なんで、3年がいないんだ?」




「先輩たちはね学年でミーティングしてるんだ〜」






リョーマは何事か、とタオルから顔を外した。






「男テニも休憩?アタシたちといっしょだね」





はもうヘトヘトという顔をしながら笑った。
桃城とリョーマは少し顔を赤くした。

















「桃センパイ。知り合いっすか?」




リョーマはいきなり首を突っ込んだ。









「あぁ、オレの幼馴染」



桃城は笑いながら親指で を指した。




桃城が指を指した少女は
スポーツ用の通気性の良いシャツに
ストップウォッチと汗拭き用のタオルを首に下げ、
下は陸上部のジャージを着ていた。

このさりげなくも年々数の少ないジャージは
陸上部の憧れの的となっている。



背の高い桃城より少し背は低いものの
中学の女子と見るとそれなりに身長があり、
髪は真っ黒な短いショートで
話し方は活発だが、優しさも耐えないような姿だった。
ひっそりと に好意を寄せる者も少なくはないだろう。


リョーマは直感でそう悟る。







はリョーマに目を向けた。


そしてなにかを思い出したように
はあっ、と手を軽く合わせた。







「こんにちは、アタシは
あなたが桃城君が言ってた越前君ね?
もうレギュラー入りしたんだって?」








「・・そうっす」


リョーマは下を向いてかぶったばかりの帽子を取り、
軽く頷き、挨拶をした。







「あと、越前じゃなくてリョーマでいいっす」



リョーマは言った。







「わかった、リョーマ君ね。
次からそうするね」



「アタシのことも って呼んで」





は微笑みながら言った。






「どうもっす」


リョーマは顔を赤らめた。












「そういえば、
アタシなんて2年に入ってからだしな〜。
レギュラー入り」






感心しちゃうよと は笑った。




















「2年が普通なんだよ」




桃城があきれたように言った。

















「オレとお前がレギュラー入りしたときだって
一時期注目されてたってのによー」



桃城は横目でリョーマを睨む。












「そーいえば、そーだったね」




は笑って空を見上げた。
雲ひとつ無く、見事な部活日和だ。






その の姿を見るや桃城の顔が更に赤らむ。




それをごまかすように桃城は水道へ足を進めた。
そして水をがぶがぶと飲み始めた。














「へぇ〜。そうだったんすか」





リョーマは以外だとでも言いたいように
目を丸くして桃城に目を移した。




























「しかも、席がそのとき隣同士」


は人差し指をまっすぐに立てた。












「それなりにたいへんだったんだよ。お互いね」




は桃城の後姿を見ながら笑って言った。











「ぶふぉっっっ!!」





桃城は思いっきり水を吹いた。








「大丈夫!?桃城君!!」


は首に掛けていたタオルをとっさに桃城に渡した。










「わりぃ、いいのか?使って」


桃城は顔を真っ赤にしてタオルを受け取った。
かわいらしい花柄で、洗濯したてで太陽のあったかい香りがした。








「まだちょっとしか汗拭いてないから柄の裏側を使って?」




桃城は申し訳なさそうに顔を静かに拭き始めた。


















「ふ〜ん」

リョーマはぼそっと小さな声で言った。







「も〜ジャージまでぬれてるよ!
ホントに大丈夫?」














「あぁ・・ホントに悪かっ・・」





先輩っ!もう10分過ぎてますよっ!!」



桃城はお礼を言おうとした。








「あっ!いけないっ!!」







はストップウォッチを見た。
ストップウォッチは12分を回るところだった。









「やばい!先輩に怒られちゃう!
みんな急いで移動開始!」



は大きな声で言った。












「じゃ、桃城君、リョーマ君!また明日っっ!!」










タッ タッ タッッ






さすが陸上部の女。
男子テニス部のレギュラーに勝るような速さで
はグランドの方へ走っていく。








































「行っちゃいましたね」


リョーマは嵐が過ぎ去ったあとのように言った。








「あぁ」




「あ、桃センパイ・・ センパイのタオル」















「あっ、しまった!!・・・」



桃城はまた顔を赤くした。




















「返すのがんばってください」


リョーマは少し笑っていった。


センパイのこと好きなんでしょ?」






















「・・・・」










「丸見えっすよ」







桃城の顔は桃を通り越してリンゴのような顔になった。












「大切に洗濯しませんとね・・・?!桃センパイ?」




リョーマはずるがしこく笑った。







「・・・」





「ガンバってください」













「・・・あぁ」




















「あ、それとオレも センパイのこと狙ってるんで」





















「・・・・・はっ?!」















「たった今から、桃センパイとオレは『ライバル』っすね」



















「よかったら センパイのタオル、
オレが返しましょうか?」


















部活中の休憩時間



いいこともあれば



悪いこともある・・・?!

















end























いや〜、初桃城夢です。
これまた恥ずかしい夢になっちゃったな・・・。
番外編でも書こうかな・・・?
面白くなってきちゃったしね。

・・・感想、お待ちしてます。



作:霰  05/05/03






いやいや・・
自分のファイルを整理していたら
こんなに古いのを見つけてしまいましたよ。
遊びで創った超駄作。
前に創っていたサイトで初桃夢ですね。
もうそのサイトも消滅状態ですし、
ちょっと編集してまた更新させていただきました。

神風 霰 05/09/13







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